
上位10製品及び理事長審査評
1位 グランプリ : 「UTパネル」/株式会社 ESG JAPAN
デジタルプリント技術は、建装材料の知覚常識を変えるほどに進化している。
印刷された「本物」らしさは木質系を中心に数多く出回っている。壁材料に留まらず、床や天井にまで達していて大変便利である。しかし自然界の素材の内、石だけはプリントをはね除ける。物質の質量はコピーできないのだ。
石の素性は重く、硬いので簡便ではない。そんな頑固親父のような石を石のままにとどめつつ、最薄3,5㎜の極薄・軽量を極めた素材である。素材の探求をデザイン化したことにおいて、評価したい。
2位 準グランプリ : 「air-e」/パナソニック 株式会社
「視覚から外れてくれる」デザインシリーズは毎年このアワードに浮上する。
それほどに、空間のデザインの中に騒音を発生させる機器や器具への不満があるのだ。設備機器類は目立たずに、それでいて高機能を発揮して欲しい、と審査員諸氏は思っているはずだ。air-eは、そんな審査するデザイナー諸氏の願望を巧みにかなえてくれる製品である。天井に不可欠な照明器具(ダウンライト)と同期した形状操作が秀逸である。
3位 準グランプリ : 「新スティックリモコン」/TOTO 株式会社
小さな空間ほど、機能が溢れかえる。そのための操作部材も増え、ごちゃごちゃと騒々しい。ここでも「視覚から外れてくれる」デザインが望まれる。スティックリモコンは、今や定番となったトイレット内の操作部材である。デザインは一切の主張を控え視界から外れるが、機能が前に進んだ。この新型は分かりやすさの表示が進化した。シンプルの王道の良品である。
プロダクトアワード2013 選評 / JCD 理事長 飯島直樹
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